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願いを込めたメッセージ

いじめメッセージ/ニューヨーク・ヤンキース 松井秀喜

 次々と子供たちが自らの手で命を絶つことには、僕も我慢がなりません。いろいろな理由があるにせよ、いじめをしている人、いじめで悩んでいる人には、もう一度じっくり考えてほしい。

 あなたの周りには、あなたを心底愛している人がたくさんいるということを。それは家族であり、親戚(しんせき)であり、友人であり、先輩であり、後輩であり、時にはペットであるかもしれません。

 人間は一人ではない。いや一人では生きてはいけないのです。だから、そういう人たちが悲しむようなことを絶対にしてはいけないと僕は考えます。相手の身になって、もう一度考えてみてください。
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いじめ・メッセージ/5止=シンガー・ソングライター、嘉門達夫さん

 インタビューに答える嘉門達夫さん=東京・渋谷で2006年11月13日、小出洋平写す ◇人生降りたら、見返せないやないか!

 人をいじめようと思っていじめるやつや、金取ったり殴ったり、そんなん犯罪やから論外やけど、怖いのは、軽い気持ちで人をいじったりからかったりして、傷つけてしまうこと。それで悲惨な結果を招いたら、知らん顔したり一緒に笑っとった子も含めて、一生、十字架背負うことになるねんで。だから、考えてほしいんや。

 お笑い芸人はね、いじられてなんぼ、笑われてなんぼ、覚悟してるというか、それが仕事やから。不細工やとかアホやとかを売りにして、それで食ってるところがある。
でも教室で同じことやってもええと、勘違いしたらあかん。テレビで面白かったから、芸人のように友達も言い返せるやろと、そんなふうに思うのは、わがままやと思う。

 僕ら、お客さんを笑わせるのが仕事やけど、それより大切なことは「お客さんを嫌な気持ちにさせんこと」。僕が歌を作るときも、それを真っ先に考える。舞台に立ったら、一生懸命「場の空気」を読む。「シャレにならん」っていうのは、表現者には命取りやから。

 僕、阪神大震災の時、あまりの惨状にショックを受けて、「何が出来るやろう」って、いても立ってもおられんで、避難所の小学校に歌いに行ったりした。行くまでは緊張したし、「ええんやろか」と思ったけど、まずはその中に入っていくことからだと思った。いつもの調子で笑かして、ラジオやテレビでは、避難所のトイレが不便なこととかを歌った。僕に出来る励ましは、笑いと歌やと思ったから。
「思い」って、良くも悪くも通じると思う。どんくさいとか貧乏やとか、そんな理由で、人を上から見下ろして言うことは、それだけで人を傷つける。対等な間柄で、ちょっとくさいけど、根っ子に「愛」とか「友情」みたいなもんがあって、初めて冗談も許されるんと違うかな。

 今年、幼稚園からずっと仲の良かった友達が「末期がんで余命3カ月」って宣告されましてね。僕、「こうなったら、お祭りや」って、友達に連絡しまくって、しょっちゅう見舞いに行った。病室で同窓会ですわ。
 亡くなる前の日には「お前の人生、歌にしたった」って、波乱万丈の人生を歌詞にしてメールで送って、そしたらこいつが「ここ、こう替えた方がええで」ってダメ出ししてきて。まだ元気な時に撮ったビデオレターでは「ちょっと早いけど、先に行っとりますわ」って……通夜でビデオ流して、歌を披露して、みんなで笑いながら泣きました。まだ、47歳やった。
 若い子が自分で命を絶ったら、あかんよ。今いじめられてる子に「頑張れ」って言うのも酷やけど、「人生、捨てたもんやない」って、きっと思える日が来るから。人生降りたら、時間を止めたら、いじめた連中を見返す機会もないやないか。

 僕は若いころ(落語の)師匠に破門されて芸能界追放になった。今思えば自分の不徳やけど、そんな僕を、清水(國明)さんは家に泊めて下さって、(笑福亭)鶴瓶さんは「戻ってこい」と言って下さって……いろんな方のおかげで僕はやり直せた。
だから、いじめを見た友達は、勇気を振り絞って「やめとけ」と言ってほしい。いじめられてる子に「僕は味方や」と伝えるだけでも。1人でええ、そんな子がおってくれたら、救われるんや。

 最後に、僕は自分に子どもがいないから、偉そうなこと、よう言いませんけど、親御さんには「命の大切さ」を伝えてほしいです。僕らの世代は親が戦中派やから、親や兄弟が戦死してたり、死が身近にあって、生きている有りがたみを教えてくれた。ご飯炊けたら、まず仏壇に供えたりね。ほんで、少しくらい出来んことがあっても、子どもさんの個性を認めてあげて下さい。世の中みんな認めんでも、信じてあげて下さい。
僕も、今の子たちに何を伝えられるか、難しいけど一生懸命考えます。
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死なないで:いじめ・メッセージ/4=シンガー・ソングライター、川嶋あいさん

◇心の中に夢があれば、大丈夫
私が一番つらかったのは、福岡から1人で東京に来た高1のとき。私立の芸能コースで、20人くらいの小さなクラス。福岡弁が通じなくて「え、何?」って表情を何度もされた。洋服のブランドを全然知らなかったから、話にもついていけなかった。芸能人が集まっているから、売れている子は学校に来ない。出席しているのが不名誉みたいな雰囲気もありました。

 しかも、3カ月で所属事務所を解雇されて……頼みの綱までぷつんと切れちゃった。学校の友達には言えないから、「今何やってるの?」って聞かれると「レコーディング」ってウソをついた。1日300円しかなくて、毎晩、発表できるあてのない曲を書いて、布団に入ると泣いていた。朝起きると目がぽんぽんに腫れて、ひたすら顔を洗って学校へ行ってた。あのころは、自分の人生を考えるのが、怖かった。
それが1年近く続いた翌年の2月、渋谷で一人のストリートミュージシャンを見かけたんです。「私もやってみよう」。3日後、ラジカセを手に初めて四ツ谷駅前で路上に立ちました。真冬の夕方。怖くて震えながら歌った。でも、誰一人立ち止まってくれない。最後のチャンスを失ったと思って、逃げ帰って泣きました。

 「福岡に帰っておいで」。そう言ってほしくて母に電話すると、返ってきたのは「九州女やけん、がんばり」。「とにかく1000回やろう」と決めて続けていた春、路上で今のスタッフと出会い、やっと泣かなくても眠れるようになったんです。
あの1年は本当につらかったけど、今は、勇気をくれた1年だったと思える。事務所を解雇されていなかったら、学校で焦りを感じていなかったら、路上ライブはしなかった。そしたら今のスタッフとも出会えなかったし、今の私はない。

 学校は狭い世界で、どうしても友達関係が第一になりがち。でも、それがすべてじゃない。どんなに小さくても、心の中に夢があれば、大丈夫だから。私もそうだった。人間関係で悩んでも、「さあ! 歌の練習」って切り替えてた。
いじめられて、つらくて悲しくても、厳しいようだけれど、自分から動かないといけないと思う。私にとっては、それが路上ライブだった。何も難しいことをしなくていい、ただ気持ちを言葉に出すだけでいいと思う。

 身近な誰かに相談することにも、勇気が要る。私も、事務所を解雇されたことは母にしか言えなかった。でも1人でいい、頼ってみてほしい。
いじめてしまう人の気持ちは、複雑だと思う。ただ、いじめても、いじめられていても、身近な人が話を聞いてあげることで、何か変わると思う。例えば、いつもきちんと食べる朝ごはんを食べなかったら、そのまま学校に送り出しちゃだめだと思う。「何かあったの?」って聞いてほしい。

 私の母は、どんなにささいなことでも真剣に聞いてくれた。「友達が髪引っ張った」とかいうことでも、「そうだったの。どうしたらいいだろう」と、ちゃんと聞いてくれた。「いま忙しい」という言葉は、言われたことがない。普段からそうだったから、つらいことを正直に母に言えたんだと思う。
最後に、私の曲「見えない翼」の詩で、伝えさせてください。
     ♪
 世界で一番頑張っている
 不器用なあなたが好き
 どれだけ時間はかかってもいい
 負けないで(談)=つづく
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死なないで:いじめ・メッセージ/3=元プロ野球投手・今関勝さん

 ベースボールアドバイザーの今関勝さん=東京都千代田区の毎日新聞東京本社で2006年11月6日午前11時55分、小出洋平写す ◇君にはかけがえのない個性がある
私は高校でいじめに遭い、一度学校を辞めている。ふとしたことから友人とけんかしたのがきっかけで、翌日から同級生の完全無視が始まった。

 私にも悪いところはあったと思うのだが、完全無視は、いじめられている人間からすると、一番こたえる。大切にしていた野球道具が、自分がいない間に、ドブに捨てられているということもあった。何より、無視するという行為は、いじめている側にいじめの意識がないことが問題だ。
いじめられて自殺する子は、必ずシグナルを出している。そのシグナルに気付いてあげられるのは、第一に親だ。私が立ち直ることができたのも、親が私のシグナルに気付いてくれたからだった。

 子どものころは決して裕福な家ではなかったが、両親は、プロ野球選手になりたいという私の夢のために、野球の名門校である私学に行かせてくれた。そんな両親の苦労を分かっていた私には、自分からいじめで苦しんでいることを打ち明けられなかった。
当時、毎朝4時半に起き、帰宅は10時ごろだった私は、普段「疲れた」「飯」「風呂」「寝る」という言葉しか言わなかった。しかし、いじめが始まってからの私は、家族と妙にコミュニケーションをとりたがっていたし、わざと明るく振る舞っていた。

 そのうち、学校に行く時間になると吐き気が襲うようになった。自律神経失調症になってしまったのである。外に出ることも出来なくなり、ぼんやり過ごす毎日が続いた。
この時、親がせかさずに時間をかけて見守ってくれたこと。親では話しづらいだろうと、叔父に話をしてくれと言ってくれたこと。「学校を辞めても良い」と環境を変える提案をしてくれたことなどが、私が立ち直れたきっかけである。もし親が気付いてくれなかったらどうなっていたか……。子どもの生活で、最も一緒にいる時間が長いのは親である。親の愛情が子どもを救うのだ。

 いじめている子の多くは、ストレスのはけ口として他人に当たる。いじめられている子の多くは、つらさを自分一人で背負い込む。どちらの子にも、一番の薬は親がぎゅっと抱いてあげることだと思う。いじめられていた子がいじめる側になる可能性があることを、忘れないでほしい。「うちの子に限って」なんてことはあり得ない。どの子でも、どちらにもなる可能性を持っている。
最後に私からのメッセージとして、この言葉を贈りたい。

 いじめられている君。今は周囲に理解されなくても、君にはかけがえのない個性がある。何とかこれを乗り越えれば、きっと人として強くなれる。人に優しくなれる。

 いじめている君。何となく、人にひきずられていないか。それとも、いじめたくなってしまうストレスを胸の中に抱えていないか。誰かに話してごらん。大切な友達をなくしてしまう前に。
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死なないで:いじめ・メッセージ/2=ルポライター・毛利甚八さん

=竹内幹写す ◇死ぬくらいなら、怪物になれ
 いじめを苦にした子どもたちの自殺が連続して起こったことで、世の中の目が学校に向いています。教育委員会や校長先生たちは、メディアに囲まれてあわてふためき、それまでの王様気分で言い逃れをして袋叩(だた)きに遭い、「謝らないと事がおさまらないらしい」と計算すると一転して、しおらしく頭を下げています。

 テレビのなかの教育者たちがつねに気にしているのは、一貫して組織です。まずは学校と自分を守るために言い逃れをし、問題が大きくなれば教育委員会を守るために頭を下げています。見え見えでしょう?
 彼らは自分の経歴にケチがついたと苦々しく思っているでしょうが、自分が育てるべきだった生徒が死んだことに傷ついているようには見えません。こんな人たちを困らせようと思って自分の生命を捨てるなんて、なんてバカバカしいことでしょう。

 こうした騒動が起こるなか、安倍総理のもとで教育基本法が改正されようとしています。現行法と改正案をよく見比べてほしい。改正案からは、現行の第6条(学校教育)2項の「学校の教員は、全体の奉仕者である」という言葉がすっぽり抜け落ちている。そして改正案では「子どもに規律を守らせよう」「社会や組織に服従させよう」という趣旨の文言がねちっこく張り巡らされています。もともとは政府と教育者を律するための指針だった教育基本法が、いつのまにか子どもを支配することを奨励する法律に変わろうとしている。

 安倍総理がやろうとしていることは、いじめの土壌となっている学校をさらに管理化させようというもので、いじめをなくすこととはアベコベの方向に向かっています。
アベッチ(首相)は知っているのかな。小学校低学年のときにはイキイキと遊び、笑っていた子どもたちが、小学校の高学年、中学と進むにつれて笑わなくなることを。

 アベッチのお祖父(じい)さんを攻撃したような暴れる学生たちが生まれないように、社会党の票田になっていた教員の組織を叩き壊すために、学校を中央集権化してきたのは自民党。公共工事という利権のために自然を破壊し「醜い国・ニッポン」を築き上げ、地域社会を衰退させる産業構造を追認してきたのも自民党だ。

 思春期に揺れる子どもたちを包み込めない学校と地域社会。すべての子どもが大人になることの素晴らしさを実感できない、未来を夢みることのできない教育現場を作った責任を、政権を長く担当してきた自民党の党首が深く考えることから、なにかが始まるんじゃないでしょうか。
最後に子どもたちへ。

 日本という国はね、昔から死ぬことにあまり抵抗がない文化を持っているんだよ。中世のころには極楽浄土に憧(あこが)れて、小舟に乗って海に漕(こ)ぎ出して死ぬようなお坊さんがいたし、戦国時代の武士は殿様のために死ぬことが美しいというヤセガマン哲学を持っていた。

 今も会社が悪いことをすると、情報をたくさん持っている中間管理職の人が秘密を守るために簡単に自殺している。バカみたいだね。日本人にとって、死はこの世の恥から逃れるためのもっとも安易な道なんだ。

 君たちが死んでも醜い大人たちは変わらない。悲しみ傷つくのは君を愛している人たちだけだ。
今、うまく表現できない苦しみや悲しみも、いつかそれを表現する技術があり、すでに音楽や文学や漫画のなかにファイティングポーズのお手本がある。まだ君がそれに出合っていないだけ。良い子になれなきゃ、表現力を持った怪物になれ。時間は君に力をくれる。君が生きていれば.
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死なないで:いじめ・メッセージ/1(その2止)=
  毎日新聞西部報道部・御手洗恭二


◆彼の死を受け止めるために
◇本音語れる状況、保証して−−私は娘に、手を差し伸べることができなかった。
「友だちに少しでも変わったことがあったら、それはサインかもしれない。見逃さないで下さい」
いじめを苦にして自殺した福岡県筑前町立三輪中の男子生徒の葬儀で、声をつまらせながら参列した子どもたちに語りかけるお父さんの言葉が、今も耳に残る。ニュースを見ながら涙が止まらなかった。

 04年、長崎県佐世保市で娘に降りかかった事件の後、長崎県教委が半年かけてまとめた調査報告の中に「事件の予兆の把握」という項目がある。
加害女児が事件前に書いた作文の記述、交換日記を巡る同級生とのトラブル、バトルロワイアルなどの小説をよく読んでいたこと−−などの九つを予兆として挙げた。
対する教師の認識には「特に問題視しなかった」「知らなかった」「気がつかなかった」……。悲しくなるような記述が見事なまでに並ぶ。

 そこに先生たちの生の声はない。そんなふうに表層的で本音を覆い隠したまま、残った子どもたちの教育を全うするというステップに進めたのだろうか。そんな大人を子どもたちは信頼するだろうか。うまくいったとすれば、子どもたち自身の力によるものだ。
佐世保事件を取材した同僚から聞いた話も思い出した。「なぜ(加害女児の)変化に気づいてあげられなかったのだろう」と話す同級生の親がいたというのだ。私も同様だった。二人の間のいさかいを全く知らなかった。転校後に心配していた友人関係も、時の経過とともに「うまくいっている」と思いこみ、注意を払わなくなっていた。しかし事件後、目にした娘の手紙には、友人関係の悩みがつづられていた。

 そう、誰も彼女に、私は娘に、手を差し伸べることができなかった。そして、筑前町の彼にも。
彼の自殺といじめを町教育委員会が調査するという。国も文部科学省政務官、教育担当の首相補佐官、教育再生会議委員の「ヤンキー先生」を派遣した。本腰という姿勢を見せるのはいい。評価は結果を出してからだ。

 そこで調査に注文がある。
先生や子どもたちが本音を語れる状況を保証してほしい。体裁を取り繕ったり、上っ面だけの内容となっては意味がない。聞き取り方も工夫が必要だ。威圧的では何も語らないだろう。
さらに調査委員会に入るという第三者の役割は重い。調査が信頼できるかどうかは第三者にかかっている。
そのうえで、三輪中の先生たちや子どもたちに、お願いがある。
先生には、▽自分たちが彼に何をして、何をしなかったのか▽その時に何を考え、何を考えていなかったのか、明らかにしてほしい。

 子どもたちは、彼に対する言動(見て見ぬふりをしていたことも含まれる)を包み隠さず話してほしい。
そして、ご家族もいつか落ち着かれた時、彼のことを振り返ってください。
そこまでしても、彼の選択の理由が見つかるかどうかは分からない。でも、彼の死を受け止め、何かを学び取るために最低限なすべきことだと信じる。

 彼のお母さんが同僚に「その日の朝」のことを話してくれた。言葉を交わしたものの、食器を洗っていたお母さんは彼の後ろ姿を見ていないという。それは私と娘の最後の朝とダブる。洗濯していた私も声だけで娘の出ていく姿を見ていない。
子どもと迎える、いつもと同じ朝。そんな日常に安住せず、神経質にもなりすぎず、感覚をとぎすましたい。そして、立ちすくむことなく腹を据えて子どもと向き合おう。大切な子どもを失わないために。(前佐世保支局長)  このページのTOPへ


死なないで:いじめ・メッセージ/1(その1)=作家・あさのあつこさん

 いじめ自殺が、悪夢のように続いている。泣いてもいい、休んでもいい、逃げてもいい。でも、死なないで−−。願いを込めたメッセージを、シリーズで届けます。

◇どうかあと一日、生き延びてみて
前略
 まだ見ぬあなたへ、手紙を書こうと思います。手紙というからには、まずは気候の挨拶(あいさつ)などから書き出していくものなのでしょうが、そんな形式ばったことは、ひとまずどこかに放っておきましょうか。
あなたは、形式とか取り決めとか規則とか守るべき義務とか……そんなものには、もううんざりしているでしょうから。
今、何をしていますか? 何を思っていますか?誰といますか?独りですか? 寒くはありませんか? 何か楽しい事がありましたか? 独り苦しんではいませんか?
あなたと同じ歳(とし)の頃(ころ)、わたしはとても不器用な少女でした。不器用で不細工で、自分を誇れるものなど何一つないじゃないかと落ち込み、周りの無理解さに腹を立て、そのくせその腹立ちを言葉にして伝える勇気を欠片(かけら)も持ち合わせていませんでした。他者を嫉(そね)んだり、自分に失望したり、惨めだったり、痛かったり……まぁお世辞にもすてきな青春時代じゃなかったですね。今、振り返ってももう一度、あの頃に帰りたいなんて金輪際、思いません。思えません。
あなたはどうでしょうか。あのころのわたし以上に惨めで、痛い思いに呻(うめ)いているのでしょうか。誰にも分かってもらえず、誰にも話せず、暗い穴の底に独りしゃがんでいるのでしょうか。
わたしには、あなたの気持ちが分かる、よく理解できるなんて言うことはできません。あなたの痛み、あなたの絶望、あなたの苦しみ、こんなにも重く、深いのにそれが分かるよなんて、どうして言えるでしょう。わたしに言えることはただ一つ、どうかあと一日、生き延びてみて。それだけです。絶望や痛みを抱えたまま、もう一日だけ生きてみてください。一日生き延びれば出会える可能性をあなたは持っているのです。何に? 言葉に、本に、風景に、音楽に、眼差(まなざ)しに……明日、何に出会えるかわからない。漆黒(しっこく)の闇に仄(ほの)明かりが灯(とも)るように、微(かす)かな何かに出会える。生きてさえいれば、必ず出会えるのです。信じてください。明日を諦(あきら)めてしまうほどに、信じる事から背を向けてしまうほどに、あなたはまだ生きてはいないのですから。もう少し、あと一日だけ、未知の明日を生きてみてください。誰かが、何かが必ず待っています。
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